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歩いても 歩いても


「歩いても歩いても」はあのブルーライトヨコーハマ♪からきているとは意外だったのですが、まぁ〜「歩いても」の先に繋がっているものをおもうに、ぴったりとしたタイトルです。

冒頭、老母は包丁で人参の皮をこそぎ、娘はピーラーで大根の皮を剥く。
そういう細かいズレからこの映画は始まります。
家長としての威厳を保とうとする父親、いつまでも母としての影響を与えていたい母親。なのに、老いを受け入れなくてはならない現実。親を見つめる息子や娘の複雑な心情と潜んでいる打算。
家族には小さなズレがあるのが当たり前なんですが、温かい絆が横たわっているのも家族なのだとおもいます。

映画は会話によって、この家族の抱えているものが見えてくるようになっていて、
心の表と裏がむきだしになり、引き込まれてしまいました。
微笑んでしまうような他愛ない会話にはやさしさもあれば毒もあります。
遠慮が無いだけに言わなくてもいいことを言ったり、言わなければならないことが言えなかったり。家族という枠を突き放せないからこそ不安定な空気が漂ってしまうのは、
誰にでも身に覚えがあること。

わたしは誰に移入するといったことでなく、
ひとつひとつのシーンのなかに自分がいるかのような気がしてしまったのでした。

最初は大人のつっかけを履いて、ただ「おばぁちゃん家」で気持ちが浮ついている子供に。母親の料理を手伝いながら、文句をつけたり、減らず口をきいたりする娘にももちろん。わたしの場合3人姉妹で、みんなそれぞれがきつかったので、母は樹木希林さんのような母親でいられなかったのですが。
そして、姑との息のつまる時間。夏川結衣さんの気持ちが痛いほどわかって、緊張が感染していろいろ思いだしていました。
それに、いつまでも心配で子供扱いしたくて、それでも息子に甘えたい希林さんにも、です。

観てからだいぶたつのですが、温かい音楽と美しい風景とともに、繊細で濃厚な心の描写がいつまでも残っています。わたしの失った「いままで」とともに。
そして、「いつもちょっとだけ間に合わない」というフレーズが、とても言い当てていて、是枝監督に「ありがとう」と言いたくなる作品でした。

是枝裕和(脚本、監督)
阿部寛、原田芳雄、樹木希林、夏川結衣、YOU、
JUGEMテーマ:映画


| いら | 映画ー邦画 | 00:41 | comments(0) | - |
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