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4ヶ月、3週と2日


堕胎を軸にした映画というと、「ヴェラ・ドレイク」(感想)で涙したことを思い出す。舞台は1950年のイギリスだった。
「4ヶ月、3週と2日」は1987年のチャウシェスクによる独裁政権下のルーマニア。やはり中絶することが法律で禁止されていた。
そんな中でも「ヴェラ・ドレイク」の底辺には温かいものが流れていたのにくらべて、この作品に終始流れる空気の冷ややかなこと。

街は電灯が乏しく、庶民の生活がぎりぎり苦しいこともわかる。何をするにもIDカードが必要で、いかに国によって国民が縛られているかもわかる。けれど、まれに高価な煙草も手に入れられるし、チケットをわけあったりする繋がりもある。ちゃんと結婚式だって行なわれている。
ルーマニアのお国事情はしっかり底にあるけれど、タイトルは堕胎ぎりぎりのラインをあらわしているのだ。
そして、そこから見えてくるのは「堕胎」そのもののよりも人間の愚かさや葛藤、身勝手さ、どうしようもない弱さ、のような気がする。わたしたちと同じなのだと。

中絶を望むクラスメートの手助けをしようとするオティリア(女子大生)の一日を追ったこの映画、ドキュメンタリーっぽくて、すごくリアル。過激(あれを見せるのはいかがなものか・・・)。
だからこそ、言葉のほとんどは宙に浮いていて、
彼女の顔や背中に言葉が書き込まれている、とおもう。

中絶に無自覚なあまちゃんルームメートのためにわが身を差し出し、ボーイフレンドのおぼっちゃまだめ根性に不信感をつのらせ、それでも彼女は動く。動かされる。
どーしてそこまでするの?とわたしはおもう。そこまで突き動かされるものは何なの?とおもう。ルームメイトもボーイフレンドも選んだのは、彼女自身。
哀しいことに彼女自身なのだけど。

そこには助け合う潔くも清い心も感じるけれど、はたしてそれだけかとおもう。
依存しあうエゴではあるまいか、と。
と同時に、ただただ国に依存していていいのかと。

とても考えさせられる映画。カンヌ、パルムドール受賞作。

2007年・ルーマニア
クリスティアン・ムンジウ(監督・脚本・製作)
アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ
アレクサンドル・ポトチェアン

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