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サルバドールの朝


「バンズ・ラビリンス」はファシズムの恐怖と重い空気を体感させられたのだけど、
この映画が向かってきたものは怒りをともなった現実の痛みだった。
法律も正義も勇気も壁の前では砕け散るもどかしさに、やるせないもやもやが針のよう。

サルバドールは体制を変えたいと願うふつうの若者の一人だった。
デモで火炎瓶を投げ、車を押し倒すという映像は日本の反体制運動と同じだけれど、活動資金を得るために銀行強盗という手段をとるのだ。わたしはスペインの現代史に疎いのだけれど、きっと銀行とファシストの手先(富裕層)とは繋がっているのだと、想像することで、驚きをしまうことにした。それが独裁政治に対する特異な方向なのかもしれないと。そして、その絶望の大きさはわたしの想像の範囲を軽く超えている。

後半はまるで「デットマン・ウォーキング」で、捕らえられたサルバトールには死刑の判決が出る。けれど、サルバドールの真っ直ぐに世界を見つめる目は揺ぎ無く、印象的だ。もくもくとバスケットをする姿に、俗な悔いも後ろ向きな絶望も見えない。自分自身の生き方を信じている清い眼差しは歪められた判決さえも砕く力がみなぎっているように見える。「白バラの祈り」でも感じたのだけれど、一条の光、僅かな希望が人をこれほど突き動かすことにわたしは尊敬とともに深く感動してしまう。
だから、きっと看守の心も動かされたのだ。ファシストの手先にも心はあるのだから。

しかし、死刑というものは野蛮で残酷な殺人に他ならないとおもう。あえて克明に描かれた残酷な死刑の様子は、このできごとが僅か数十年前のことだと伝えているかのようでした。ボブ・ディランの「ノッキン・オン・へヴンズ・ドア」がいつまでも耳に残ります。
サルバドールを演じたのはダニエル・ブリュール。「グッバイ・レーニン」以来の再会でした。凄くいい俳優さんに成長したんですねぇ。
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