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善き人のためのソナタ


また素晴らしい映画にであった。
残念ながらDVDですけど、今年一番よかったかもしれない。

「わたしの本だから」
その言葉を言う元国家保安省ヴィースラーの顔をわすれることができないだろう。一人の芸術家とひとつのピアノ曲によって、魂の自由さを知った男の喜び。
最後の2分。涙、涙でした。

ベルリンの壁崩壊5年前の東ベルリン。東ドイツでは40年という長い間、反体制を徹底的に取り締まっていた。友人、家族、恋人から密告。国家保安省の監視による社会。国家保安省のヴィースラーは冷静沈着に反体制の分子を自白させるプロ。そんな彼に人気劇作家のドライマンの反体制的証拠を探るように監視命令がくだる。ドライマンには美しい女優の恋人がいた。ヴィースラーの地味で簡素な生活とは180度も違って、限られた豊かさの中で自由で、なによりも芸術を愛している。
連日連夜の盗聴、監視を続けていくうちにヴィースラー心に変化がおきてくる。

ドイツ映画「トンネル」を観たときも衝撃だった。「グッバイ・レーニン」では、改革デモに参加する息子の姿に心臓発作をおこしてしまう母親がいたけれど、「入れ物」の中で無抵抗に従うということだけが許された社会が怖かった。この監視、密告社会がわずか20年前のことなのだから、いまさらながらおどろきます。

けれど、恐怖社会の立役者のような秘密警察、国家保安省の男に焦点をあてたこの映画はイデオロギーが人のすべてを変えてしまうわけではないこと、ただただ国家のため忠誠を尽くした冷徹非業な男であっても、魂は穢れていないことを知らしめてくれる素晴らしい映画でした。
ピアノ曲を聴きながら流した一筋の涙を、わたしは信じる。
反体制的言葉を吐いた幼い少年に名前ではなく、ボールの名前を聞く決意がまぶしい。音楽、詩、文学、そして愛には人を変える力があるのだ、とおもった。

監督は若干33歳。ヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエが素晴らしい。

2006年・独
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(監督・脚本)   
ガブリエル・ヤレド(音楽)     
ウルリッヒ・ミューエ、 マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ 
| いら | 映画ーや | 18:55 | comments(2) | trackbacks(0) |
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この映画は良かったですよね。
正直、ぼくは歴史ドラマを描く上での性善説的な人間描写に監督の甘さを感じてしまったのですが、演出はとても丁寧で脚本も練られていて「映画らしい映画を観た」という感慨は残りました。

でも、主演のウルリッヒ・ミューエ、先日亡くなったばかりなんですよね。惜しい俳優でした。
ぼくにはミヒャエル・ハネケの『ファニー・ゲーム』での怪演が印象深いです。
| Taka | 2007/08/21 1:06 PM |
わたしも劇場で観たかったなぁー、って後の祭りだけど。

さいきん涙脆くて、甘さがあっても感動してしまうんです。
ウルリッヒ・ミューエが亡くなったことをわたしも数日前に知りました。それに実生活でも奥様に監視密告されていたとか。あの表情はそういうものを踏まえた上なのだなぁーと、また感動したりしました。

でも、ほんと!ラストが素晴らしかったですね。
| いら | 2007/08/21 11:14 PM |









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