annex irabako

<< フラガール | main | カレン・ダルトン >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
木靴の樹


名作の力って凄いなぁーとおもう。

観てから数日がたつのに、ひとつひとつのシーンが名画をめくっているように残っている。ミレーの絵画とそっくりなシーン。リアリズムにこだわった自然の光。朝靄のたちのぼる大地。農作業をしながら自然と生まれる歌声。与えられた運命を静かに受け入れる人々の表情。それにほんとーに穢れなき子供たちの美しい顔。

まるで四季に添って繰り広げられる壮大な叙事詩を観ているようだった。

けれど、19世紀末、北イタリアの寒村にくらす小作人4家族の生活は決してのどかとはいえなかった。今のわたしたちには想像を超える過酷さが胸をしめつける。
収穫の3分の2は地主に納め、家畜、畑の樹一本にいたるまで地主のものであること。立てなくなった牛が家族の死を意味し、拾った金貨も隠さなくてはならないほど所有ということが許されない世界。
そして、息子の木靴を作るため一本のポプラの樹を倒したことだけで、家を追われ、それは家族の死も意味してしまうということ。掟が親心に勝る不条理に心が凍りつく。酷すぎるとおもう。酷くても仲間は心を痛めて見送ることしかできない。
民主主義を訴える進歩的な若者もいる。けれど、小作人である彼らにその波が届くのはずーっと先のことなのだろう。ただ日々を受け入れ淡々と暮らし、従うということが彼らには自然なことなのだ。
すごく、せつない。
せつないけれど、無欲な彼らの美しさにわたしは言葉が無い。貧しいのに、より貧しい人に与える愛に言葉を失う。天使かと見間違える子供たちの姿がまぶしい。
人の根源的な生がここにある。

奇蹟のような映画でした。
3時間たっぷりあるけれど観てよかった。

エルマンノ・オルミ(監督)
| いら | 映画ーか | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 23:37 | - | - |









http://irarun3.jugem.jp/trackback/528
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE