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ランド・オブ・プレンティ

「伯父さんが好き」とラナは言う。
伯父さんの常軌を逸した姿を黙って受け入れ、「好き」と言う。
知性をたたえた瞳、幼さの中に湖のような母性を秘めた女の子。
彼女こそ、ヴェンダースが作り上げた「今」のアメリカを救う愛だ。

伯父さんのポールは9.11以来、星条旗をつけた改造車でイスラム系の人たちを監視し続けていた。携帯の着メロももちろん国歌で、ヴェトナム戦争以来愛国心が彼の人生のすべてだ。その姿はときおり滑稽に見えるけど、真剣さに笑えない哀しさもある。
そうなのか。地方のアメリカ人は勝者の意識のままで世界が見ようとしないのか。見えていないのかと。

ポールの姪ラナはアメリカ生まれにもかかわらず、アフリカ、パレスチナと世界を肌で感じてきた女の子だ。世界に常にアンテナも立てている。
彼女が帰国後、初めて目にしたのが母国アメリカの貧しい姿。他国で感じていた強い国アメリカとの違いを肯定も否定もせずにすんなり受け入れて、自分にできることをしようとする。ほんとうに素直なのだ。今の世界に必要な愛なのだとおもう。

「愛」であるラナと「不安」のポールの出会い。
世界をあらわすラナとアメリカをあらわすポールの出会い。
ラナはアメリカを救う天使でなくて、何だろう。

タイトルはレナード・コーエンの曲目から。もちろん「ランド・オブ・プレンティ」の曲は静かに染みる。「パリ・テキサス」ではライ・クーダーのギターが印象的だった。愛の監督、ヴェンダースの作品にはいつも魅力的な音楽が詰まっている。

ラスト、ふたりは屋上からワールドトレードセンターの跡地を望む。
カメラはゆっくりなぞるように空に移動する。
真っ青な空に刻まれた傷跡はいつ消えるのだろう。
| いら | 映画ーら | 23:24 | comments(6) | trackbacks(0) |
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この映画はまだ見ていないのですが・・・。
是非みたいです。
ヴェンダースは大好きな監督です。
関連記事をTBさせてくださいませね。
よろしくお願いいたします。
| おかみ | 2006/09/03 3:50 AM |
はじめまして。
コメント、TBありがとうございます。

ヴェンダース、いいですよね。
わたしも大好きです。
「パリ・テキサス」もぐぐっ、とくる作品でした。
また9・11がやってきますね。
ヴェンダースの9・11をぜひごらんになってくださいな。

さきほど訪ねたときに、まかないに涎がでそーでした。美味しそう♪これからもよろしくおねがいします。
| いら | 2006/09/03 11:10 PM |
TBありがとう。
ラナとポール。このふたりの出会いの中に、9.11以降のアメリカのあるいは世界の再生を願っているような、映画でしたね。
| kimion20002000 | 2006/09/07 9:08 AM |
TB、コメントありがとうございます。

またあの日がやってきますね。
あの衝撃は忘れられません。
ヴェンダースの視点は、ほんと!愛に満ちてますね。忘れられない映画になりそうです。
| いら | 2006/09/07 10:12 PM |
こんにちは お久しぶりです。
私もつい最近ようやっとDVDで鑑賞しました。
いつもながら短くとも的確な表現でこの作品の感想書いていらして感心します。
愛に溢れるラナのような人に癒されたのは私だけではないと思います。というか
人を信じられずにすぐに怒ったり、見て見ぬふりをしたりする自分がすごく恥ずかしく思えました。
| マダムS | 2006/09/14 6:31 AM |
こんばんは〜
TB、コントありがとうです。

跡地の空が染み入るラストでした。低予算もなんのその、すばらしい作品で、忘れられない作品になりそうです。
さすがヴェンダース。
こういう形の9.11もあるのだなぁーと感心しましたよ。
ラナを信頼する母親の手紙にも色々かんがえさせられちゃいました。
| いら | 2006/09/14 10:42 PM |









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