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角田光代『まどろむ夜のUFO』

「腐りかけたバナナのような柔らかい声」のフレーズにひっかかって、
たしか、そんな声を聞いたことがあると、ずーっと考えていた。

突然浮かんできたのは、失礼にも前の職場のMさんだった。柔らかい物腰で物分りよさそうな外見とは裏腹に、彼女の作り出すハコは社会規範とか常識とか、その他わけのわからない規律みたいなもので守られ、年齢相応という階段から落ちない人だった。ハコの外に出会うと「腐りかけたバナナのような柔らかい声」を出し、続いて「諌める」言葉が続いた。わたしのジョークとも事実ともつかないおしゃべりは、いつも色褪せ空中分解したものだ。

「まどろむ夜のUFO」に登場しているサダカくんは「イイ人、やさしい、誠実、まじめ」だ。「私」はモデルルームのような彼に安心させられ守られているけれど、なんか違うと感じている。

とは言っても、わたしが「まどろむ夜のUFO」を読みながら「私」に同化してしまうのは、充分にオ・ト・ナの領域にどっぷり浸かっている身としては問題ありなのかもしれない、とおもう。

昨日、いつものように大国魂神社の暗い横道を歩いていた。軽い開放感から、引きずっている袋に気がつくときだ。たぶん「あっちの世界」へのおもい。
けれど、わたしの足は森を切り裂くブルトーザーのようにすすむ。まるでこれ以上の近道はナイとおもうほどの正確さでラインを踏み、コントロールされたロボットのようにすすむ事を止めない。ときにはスピードまで上げて目的地に向かう。

4年くらい前「まどろむ夜のUFO」の「私」のように袋を開けようとしたときがあった。宝石のような時間だとわたしは有頂天になった。けれど、発見したのは、おもいもかけず「あっちの世界」から拒否されるサダカくんのような自分。まるで落としてしまったソフトクリームのような自分。投げかけられた言葉がまっすぐで痛いほど気ずかされた。
「まどろむ夜のUFO」の「私」は拒否されない。わたしもかつては持っていたはずの「あっちの世界」へのチケット。「私」は受け入れられ、そして、「こっちの世界」で新たな一歩を得ることが出来る。わたしも、そうであったのだろうか。

それでも「あっちの世界」は今もっても桃のように甘い匂いがする。すでに開けることを拒否された袋を引きずりながらそうおもう。
わかっているのに手を離すことができない。
そして、ロボットのように今日も歩く。
| いら | 読む | 10:24 | comments(3) | trackbacks(0) |
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袋開けたくはないなー。
時々桃の香りを嗅ぎながら
美味しそうな桃を想像してる位で辞めときます。
開けて覗き込んだら多分グズグズに崩れた
賞味期限切れの桃が出てくる筈。
そういえば会社の娘から貰ったメロン
7/26が食べ頃だって言ってたっけ。
早く帰って食べないと!
| ゐ | 2006/07/28 9:19 PM |
うん。
私の場合はあぶない状態だとおもう。
でも、ゐくんは食べごろかも(うん?)

たぶん、あれだねっ。
何度も巻き戻しされるビデオのような日々を送っていると、袋の香が魅惑的に感じるのかもね。

メロン食べ頃のときに頂きましょう。
熟しすぎると香が消えちまいます。
ていうか、ま〜だメロン食べてないぞ、っと。

| いら | 2006/07/28 10:55 PM |
金曜日になって
食べ頃を逃したかと思いつつ食べたら
まだちょっと早かった。
もう食べ頃過ぎちゃったかと思ったんだけど
お互いまだまだいけるのかもねw
かきこありがとうございます^^

| ゐ | 2006/07/31 10:57 PM |









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