annex irabako

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永遠の零

先日、旧友数人と会い、
最近、泣いた本ってある?と聞かれた。

そーいえば、半年位前に読んだ
「永遠の零」がそーかもしれない。
なんというか、弱くて強くて人間らしく、とっても普通の人なんだけど、
でも魂が透き通っているほど美しい人の話に
最近めちゃ弱い。涙腺を開きっぱなしにしtれしまう。

映画とかになるだろうか…

| いら | 読む | 22:28 | comments(1) | - |
終末のフール
                                   

休日には映画館という楽しみが数ヶ月前から消えた。
観たい映画がたくさんあった。でも体はひとつ。仕事を辞める勇気もない。
どーしようもなかった。
優先するのは、どこかの世界にいこうとしている父を見届けること。
それだけ。
父は「かあさんはお前のところにいるのか」「雨が降ってきたから傘を持っていかなくては」と亡き母のことを言う。自分で隠し忘れているのに「通帳とキャッシュカードが無い」と騒ぎ、毎月ように銀行に行き新たに発行してもらう。もちろん、歯医者の「予約」などほとんど意味をなさない。
でも、一緒にレストランに行き、父が子供のような笑顔で「美味しい」と目を細める顔を見ると、自分の楽しみを優先しなくてよかったとおもう。
と、同時にいつか自分にせまってくる老いや認知症の恐怖が自分の中に畳まれていく。

いつか死を迎える。
わたしも、だ。

先日、伊坂幸太郎「終末のフール」を読んだ。
5年前に小惑星が地球に衝突し、地球が壊滅してしまうと発表された。世界は暴力と自殺者で混乱し、いよいよ地球最後まで3年を迎えた。そのときを生きている市井の人々の話。
残った人生をいかに生きるか。
あきらめるか。心残りを果たすか。とにかく淡々と静かにいるか。希望を持つか。
むなしさでぽっかりと開いた隙間を埋めようとそれぞれがおもう。
生きていく答えなんか無いよ。生きることなど迷いの連続だから。
そうおもうけど、「死」を意識したときだからこそ、
生きることが明確になってくるのかもしれない。

八編に紡がれた人々の姿を読みながら、ところどころ自分を重ね、怒りとむなしさにため息をつき、ときには脇に追いやっていた気持ちを掘り起こし、遠い人を想い近くの人を見つめ、でも、暖かいものが鮮やかに目の前に現れ、自分のこれからを想像したりした。

小説だから、小惑星の衝突は無いかもしれない。
けれど、死の予告はいつか必ずあるのだから。
| いら | 読む | 11:44 | comments(0) | - |
『1Q84』が呼び寄せる
薄暗い部屋から外に出ると、まだ外は明るく目が染みた。
大きく息を吸って、足の先に力を入れる。
欠けた歯のように並ぶ駐車場を抜け、
いつもの坂に差し掛かったとき、急に胸にこみあげるものを感じた。
突然時間が逆回転したみたいで。
この地に越してきたときの靄のかかった、
自分の足が地をふみしめることができないあやふやな感覚が押し寄せ。
木々に囲まれた坂下から現れる遠い人が・・・。

どきどきするほど驚いた。
 
それは1Q84を読み終えたせいだろうか。
わからない。
迷路のような道、なぜこんなとこにあるのかと思う坂、意味のない階段。
そこここに、うずめていたあのころの想いが突然ぽっかり口を開けたみたいで。

Qのせい?
うん?意外とわたし、まだだいじょうぶ?
まだ自分の物語を抱き続けられる?(苦笑。


青豆は世界を書き換えようとし、天吾は物語を書き直そうとする。
トラウマを抱えたふたりの物語は現実を揺さぶり、壁のようなシステムに亀裂を入れる。
それによって、世界を変えることができるかもしれない。
できないかもしれない。
でも、解決するのは自分自身であることを物語は差し出してくる。
 
『1Q84』は、決して好ましい結末ではなかった。
いやむしろ辛いかもしれない。
 
なのに胸に明かりを点されるような感覚は残った。
人間の善なるもの悪なるもの。
でも、
余分なものを削ぎ落とせば魂は清らかだということ。
真の「愛」は引き合うということ。
にしても、滑り台の上からふたつの月を眺めるシーンが美しい・・・。

それらがどんどん自分の中に浸透してくる。
わたしのある部分を震わせ、自分が覆い隠していたもの、
追いやっていたものを表に導びこうとする。
今だけかもしれない。
でも、それでもいい・・・。
 
『1Q84』を分析することなどわたしには出来ない。
 
けれど、そこには、『海辺のカフカ』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
『ノルウェイの森』『アンダーグラウンド』『国境の南、太陽の西』
と、村上春樹さんから頂いたすべてが詰まっているような気がした。

・・・・・・

ついかです。

友人や娘が「1Q84」を貸してぇーと言うのですが、
「かなりエロいよ!」と、とにかく先に釘をさすことにします。
だって、セックスの文字がダンスしまくりなんですもの(笑。


 
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| いら | 読む | 21:35 | comments(0) | - |
角田光代『この本が、世界に存在することに』
「ミツザワ書店」の中で亡くなった店主のおばあちゃんが言う。
「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」
細切れの時間の中で、すっかり忘れていたこと。
頭の先からつま先まで、余計な脂肪をつけすぎて、埋没していたもの。
飾り立てていたものが急に色あせて見えた。

文庫は「さがしもの」になっている。
「この本が、世界に存在することに」の方が素敵なタイトルだけど、
今のわたしには「さがしもの」がぴったりくる。
本にまつわる9編の短編集。
「不幸の種」が好きなのは、なぜだろう・・・。

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| いら | 読む | 23:49 | comments(0) | - |
山田詠美『風味絶佳』


食わず嫌いだったらしい、山田詠美。
他の作品は知らないけれど、この一冊ですっかり虜になってしまった。

映画化された「シュガー&スパイス(風味絶佳)」はうん?という感じだったのに、
本はまったく別物だったのだ。
いびつなじゃがいもも豚のバラ肉も料理方法によってはこんなに見事な風味をかもし出すというか、紡がれる文章や言葉が体をとろかしてしまうというか。すごい。
6編の恋愛小説に登場してる男たちは体をはったブルーカラーである。接点のない世界なのだけど、作者の彼らへの敬意みたいなものがスパイスとなっているせいか「男は体」とは言い切れないなにかを感じる。

とくに好きなのは冒頭の「間食」
体と心、それに死がまとわりつく話だ。鳶の雄太は年上の女に子供のように守られ、年下の女は「間食」なのだけど愛おしくて守っている。体がそれでバランスが取れている気がしている。でも、天真爛漫で素直、幼い雄太はなんだかすっきりしていない。
彼は他人の思惑にも無頓着で、人生を降りたような寡黙な男が気になっているのだ。雄太を「羨ましい」と言う喪服の似合いすぎる男が気になってしかたがない。
じつはわたしもそうだった。
わたしの奥深いところにやたらひっかかる男だった。

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| いら | 読む | 18:23 | comments(0) | - |
倉橋由美子『聖少女』


桜庭一樹の「わたしの男」は「聖少女」の影響を受けてだと知ったのはつい先日。わたしは本屋の正面に堂々と平積みになっている「わたしの男」の前でまるで犬のようにうろうろ。ふと文庫棚の方に目をやれば、「聖少女」が積まれているではないですか。半分目を疑い猫のような敏捷さでレジに向かっていたのでした。

わたしが20歳そこそこのころ「聖少女」は衝撃的な本だった。
惹かれるのに後ろめたい気分にさせる、好きだけど嫌いな本。
好きというのは、フランス的なもの、ジーン・セバーグに似てきた頭とか、ルイ・マルの恋人たち、など、わたしを魅了するワードやアニューイな空気がぎっしり。それに未紀の日記に描かれている一部は、湿度の高い少女のころを代弁しているかのようで恥ずかしさとともに感心するばかりで。もちろん、登場するジャズ喫茶によく行っていたせいもあるのです。
なのに、嫌い。
それはこの本の核となるところなので身も蓋もないのですが近親相姦のこと。わたしは父親の権威のもと小鳥のように暮らしていて何度も家を出ることを夢想し、じっさい行動を起こせない自分に失望していたくらいだから、父親を男として愛するなどということは吐き気をもよおすほど嫌悪すべきことだったのです。
そして、大人になる、ということはたくさんのものを埋葬し、少しずつ死んでいくことなのか、とおもったのです。

記憶というのは都合がいい。わたしは再読するまで、タブーな部分がすっかり抜け落ちていたのでした。当時、移入した「挽歌」の怜子さん「悲しみよ、こんにちは」のセシルと、未紀をただ重ねていただけだったみたいです。けれど倉橋さんは「大人のための残酷童話」を書いた方であります。そんなわけない。

未紀は、この世の秩序や道徳に反しても「タブー」と称されるものを大胆不敵にも受け入れ、それを浄化しようとした少女でした。潔く、迷い無くタブーに向き合うこと。少女独特の嘘も交え、愛に真っ直ぐ対峙する姿は最強の少女かもしれません。選ばれたもの、という感じすらあります。
対して、「ぼく」は未紀と共犯意識を持ちつつも、罪の意識に付き纏わされている。子供っぽい衝動に突き動かされ犯罪を犯しながら最終的にはアメリカに逃げきろうとしているのです。しかも出自の卑しさが自分を反社会的なことに突き動かしたと言ってのける。
「ぼく」、Kが未紀を「聖少女」と呼ぶのはこの点なのでしょう。

倉橋さんは「この小説のなかで、不可能な愛である近親相姦を、選ばれた愛に聖化することをこころみました」と述べています。また「聖性と悪とはシャム兄弟のようにわかちがたく抱き合っています」とも。
どこまでも深い分析によって描かれたこの「聖少女」を、わたしには読み砕くことはできないとおもいますけど、再読している間、わたしはすっかり「あのころ」に引き戻され
「あのころ」の刻印を陶酔しながら味わっていたのでした。。
いい歳をして、少々気味悪いですけど(笑。

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| いら | 読む | 22:24 | comments(0) | - |
小川糸『食堂かたつむり』


食べること大好きですから「かたつむり」は理想です。
ゆったりとした時間で料理を想像し、食材を慈しみ丁寧に包丁をおろす、そしてバランスよく料理する。できあがったものを喜んで食べていただけたらたぶん幸せな気持ちになるとおもう。大きな喪失感も薄れるかもしれない。それほど食って「生きる」ことなのだ。

近年ではマドンナで有名なマクロビオテック、季節の食材を頂き、一物全体、つまり穀物も自然なままで根菜は葉っぱまで、魚は骨まですべて丸ごといただく、そういう精神が貫かれていて、すがすがしい気持ちにもなる本でした。
けれど「木靴の木」で観た豚の解体シーンが目の前にチラつくこともあって、わたしってまだまだ気持ちが上滑りしているとおもったところも。

人の心の中は泥水だ、と作者は語ります。魚が暴れれば濁ってしまう。
泥水は静かにしていれば濁らないのです。
けれど、泥水を澄みきった水にする方法があるとしたら、たぶん「食」もそのひとつ。
そうおもって料理を慈しみたいとおもったのでした。

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| いら | 読む | 13:20 | comments(0) | - |
福永武彦『忘却の河』


東京の空ってこんなに綺麗だったけ、とバスの窓から差し込む温かい日差しの中でおもった。空は海のように蒼く一点の曇りもない。これから、駅で妹たちとおち合って、80歳にして気丈にも一人暮らしをしている父の元に向かうのだ。いつのまにか恒例になった月一回の行事。これを娘なのに冷たいととるのか、元気なのだしわたしも忙しいのだから自然なことなのだととるのか、いつも迷う。どこかに後ろめたい罪みたいなものがつきまとう。
妹たちと家の側まで行くと、ガレージで父は車を磨いていた。
「すぐ終わるから、庭でも見ていなさい」と。

「忘却の河」は昨夜読み終えた。あまりにも人生の色合いが濃く、心を深く震わせる話にわたしは胸がつまったり、涙したり。そして、生きながらえるのは罪を重ねることという言葉が頭の中で廻ってしかたがなかった。
若かりし頃、わたしは福永武彦に凝っていた時期がある。だから読んだはずなのに、一度も記憶をさかのぼることが無くて、かなり情けない。もしや何か他の作品と間違えていたのだろうか。文庫の帯には「二度読む本」と書いてあった。あやふやな気持ちながらも、若い頃だったら今のように震えるような気持ちにはならなかったかも。心をえぐられ深く浸透しなかったかもしれないとおもう。

本編は、藤代という50歳を過ぎた男とその妻、娘二人、娘に思いを寄せる男などの視点から語られる7つの章から成り立っている。それぞれの中に潜む過去と幻影、そして葛藤、孤独。
とくに藤代が若い頃、恋人を裏切って死に追いやってしまった過去を持ち、ずっとその罪に苦しめられている姿が胸にせまった。わたしは女の身でありながら、彼が苦しんでいるぶん魂が救済されてもいいのではないかと心のどこかで震えながらおもっていたかもしれない。
そして、自分の周りにめぐらされた塀を軽々と越えて魂同士がおもいを伝え合えることができるのなら、家庭という檻も違う形になる。でもそれはすごく難しいことだなぁ、と、自分に引き寄せて考えざるをえなかった。
これは「東京には空がない」と言われていたころの話だ。でも生きていく焦燥感は今でも通じる。福永さんはその答えを放りっぱなしにするのでなく、そっと伝えているような気がした。

わたしたちは、整頓された部屋を見ながら母の仏前に線香をあげた。
母は生前、父の愚痴をよく言っていたけれど、亡くなる一ヶ月前は残される父の心配ばかりしていた。その父がお茶の支度をしている。
とても慣れた手つきだ。

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| いら | 読む | 21:57 | comments(2) | - |
海堂尊『チーム・バチスタの栄光』


医療ものというと、難解な言葉がてんこもりで固っくるしく、
大学病院の派閥もので、シリアスか、とおもっていたら、違ってた。
現役医師の書いたこのミステリー、
シリアスとユーモラスのバランスが絶妙でおもしろかった。

主人公の「不定愁訴外来」の医師、田口は熱血漢でもなく上昇志向も無く、ちょっとひねくれキャラ。下巻に登場してくる火喰い鳥のあだ名を持つ変人役人、白鳥は超強烈で、そのあつかましさが妙に痛快。
この凸凹コンビがチームバチスタの術死を検証していくのだけど、引いたり攻めたりと心理学を駆使した極意に添っていて、読みながら感心したり頷いたり笑ったりと、ページをめくる指を喜ばせてくれる。
「言葉は輪郭を削る。人は自分の言葉で自分を削る。」なんていう考えさせる言葉も散りばめられているしね。
もちろん、登場するすべてのキャラがしっかり立っていて、人間ドラマの様相もたっぷり。比喩的な表現は好みだし、医学的なことも丁寧に説明されていて興味深かった。
人を動物の喩えるとこなど、想像たくましくなってプッとなることがたびたびで、たとえば、キレもの変人の白鳥のゴキブリには吹き出してしまった。たしかに実際、側には絶対いてほしくないタイプで、神出鬼没ですばしっこく、しつこい(笑。

なんだかほめっぱなしだけれど、ミステリーとしてはそんなに捻りがあるわけでもないとおもう。犯人をつきとめるまでの、田口、白鳥のコンビの鮮やかさが魅力かな。

でも、予定の無い一日に、凄い充実感でした(笑。

映画の方では阿部寛が白鳥?うーん、わたしの妄想イメージとは違うなぁ。それに、田口が女性で竹内結子?!うーうぅ、がぜん(?)観る気が失せてしまいますね。

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| いら | 読む | 19:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
いしいしんじ 『プラネタリウムのふたご』


たぶん、これは人と人は繋がっているという話なのでしょう。
プラネタリウムに捨てられた双子、テンペルとタットルの目を通して、
人には6本目の指があり、それは繋がっているという。

毎日、数ページづつ寝る前に本を開きました。
世界はめまぐるしく変化し、悲しいことは数多くある。
人はどーしようもなく孤独である。
けれど、温かい気持ちを思い出させてくれる本なのでした。

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| いら | 読む | 18:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
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