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マッチポイント


「マッチポイント、おもしろかったよ」「えっ!あれって不倫ものでしょ?へぇ〜」と30歳のS君がわたしの顔をのぞきこんだ。明らかに「まさか」とか「まだ興味あるの?」みたいなちゃかし気味の顔をしている。えー、不倫興味大ですよ、それが何か?
まだ女捨ててないですから、ふん!

ウディ・アレンの不倫もの(しつこい!)はニューヨークでなく涎もののロンドンの街、ギャラリィ、英国上流階級のお屋敷が舞台。音楽もジャズでなくオペラのアリア。アレン臭が薄いけれど、これはまちがいなく本人不出演のアレン監督作品なのでした。
テニスのマッチポイントと指輪の行方を引っ掛けるとこなどさすがおしゃれなミステリーですが、わたしはその後の展開に見事にひっかかっていました。「罪と罰」が最後まで横たわっていて、なんともいえない余韻ものこります。それに、カメラがよかったですね。俳優たちの心の動きに吸い込まれそうになるくらいカメラが執拗で、どきどきでした。

にしても、逆玉の上にセクシーな女性と浮気して、なんと強運で悪運の強いやつなんでしょう。女の敵です、と言いたいところですが、わたくし不思議と醒めていたのでした。殺人まで至らないまでも男ってそんなもの、な〜んて達観できるお年頃になったのかもしれません(笑。でも、運っていつかは尽きるんじゃないのでしょうかね。彼は死ぬまで亡霊と向き合うに違いないと、冷ややかな笑いがもれてしまったのはしかたがないようです。

2005年(英)
ウディ・アレン(監督・監督)
ジョナサン・リース・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン
| いら | 映画ーま | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
麦の穂をゆらす風


家にあったドナル・ラニーの力強くも哀しい歌「麦の穂をゆらす風」を
DVDで聴いてから劇場に向かった。

アイリッシュダンスは上半身を動かさずに足で激しく踊るダンスだ。その理由はイギリスにダンスを禁止されていたからで、上半身が動かなければイギリス兵に気ずかれなかったという。でもわたしはアイルランドの人々が母国語を話すことも禁止されていたとは知らなかった。悪名高きイギリスの武装警察隊(ブラック・アンド・タンズ)が英語で名前を名乗らなかったというだけで、17歳の少年をあっさりと拷問の末殺してしまう。この冒頭の冷酷で凶暴な事件からわたしはどきどきしっぱなしで涙がとまらなかった。

アイルランドの歴史を語るかのような重く薄い光、貧しく痩せた土地。揺れる麦もアイルランドの人々の口には入ることがない。鎖に繋がれているような苦しさから自由を勝ち取るために、貧しき若者たちが強大な英国に闘いを挑むのは当然かもしれない。わたしだって立ち上がる。
けれど、この映画ではアイルランドとイギリスの条約調印その後の内戦がわたしたちに衝撃的な痛みを与える。仲間だったもの同士の過酷な戦い。権力は服の色を変えただけで、愚かにも中身まで変えることができなかった。暴力の影には必ず愛を引き裂かれる悲劇が生まれるもの。

今までのケン・ローチ作品でもラストの痛さは衝撃だった。たぶん、そのリアルで妥協を許さない突きつけ方が、過去のこととして放り投げてることを食い止めているのではないかとおもう。
今、現在世界のどこかでは繰り返し起こっている暴力に繋がるものがあると。
そして、深いところからにじみ出て来る涙とともに刻まれ、監督のおもいが響く。

今年観た(数少ないけど)映画の中でも衝撃的な一本でした。
リーアム・カニンガムが印象的だったけれど、やはり美しき青い瞳のキリアン・マーフィーが素晴らしかった。医学を目指した一人の青年が銃を持たねばならない苦しみ、深い絶望が画面から悲鳴のように聞こえてくるのでした。

素晴らしい映画です。
ぜひ多くの方々に観てほしい。

2006年。
ケン・ローチ(監督)
ポール・ラヴァティ(脚本)
キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド
| いら | 映画ーま | 20:07 | comments(11) | trackbacks(0) |
ミリオンズ

母を亡くし、新しい土地で父と兄と暮らしはじめた幼いダミアン。
ダミアンのダンボール秘密基地にはダミアンだけに見える神様が遊びに来る。神様は無垢な少年がお好きなのだ。ある日、空から大きなバックが降ってきた。中には22万ポンドの大金。おりしも、ポンドもマルクもフランもユーロに統一されるころのことで、使わなければ22万ポンドが紙くずになってしまう。
兄のアンソニーは大人顔負けの金銭感覚で投資を考える。ダミアンは困った人に寄付をしたがる。

そんな兄弟のお金奮戦記を「トレインスポティング」のダニーボイル監督が子供のために作りあげたシュールな映像&痛快な作品だ。

ダミアンの行動にはらはらするのは、たぶん「お金」の旨みを知っているせいだけど、映像では「愛」が「お金」に優るとか、宗教は善行を成すとか、決して説教臭いことを言ってないのがいい。
降ってきた「お金」が泥棒の金であっても警察に届けないところが私たちの感覚とはズレている。そこがなんとなく好き。
「お金」と切っても切れない関係ならば「お金の喜ぶ使い方」をすればいい。そんな結末に拍手したくなった。デキスギ結末ではあるけれど、そこには希望がみえる。

2004年・英
| いら | 映画ーま | 16:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミュンヘン

1972年のミュンヘン・オリンピックでのイスラエル選手11人の襲撃事件はおぼろげに記憶に残っている。けれど、その後水面下でこのような復讐の連鎖が繰り広げられていたとは知らなかった。暗殺の段取りや緊張感は007のスパイ映画さながらで、これが事実に基ずいているとおもうと、凄くヘビーで複雑なおもいがする。メイア首相の「ドイツはいつもユダヤ人を殺そうとする(原文どうりではないです)」の言葉が突き刺さった。ユダヤ人であるスピルバーグが作った映画であるという点でも問題作と言えるのだろう。

人質事件の犯人たちパレスチナの「黒い九月」のメンバーを、イスラエル政府の任務(神の怒り作戦)を受け、「正義」の名の基にひとりひとり復讐していく男たちの話である。初めて銃を人に向けたときの躊躇や、動揺がいつのまにか薄れて暗殺者に変貌していく様子が怖いくらい。やがて人を殺すことに懐疑的になっていく彼に初めて恐怖がふりかかってくる。すでにどこに向けたらいいのか解らなくなってしまった怒りが、狂気と人間らしさの間に立ちふさがる。

彼の任務の条件は祖国も家族も捨てること。彼には身重な妻がいるけれど「愛国心」の前に従う彼の姿や、それをとうぜんと受け止める家族。わたしはこれをどう受け止めたらいいのだろう。
映画の中でパレスチナ系のテロリストと彼が話すシーンがあるのだけど、パレスチナの若者も国のために行動していて、国があるということがいかにたいせつなことかを語る。「家庭」も「国」も無くてはならないかけがえのないものということ。スピルバーグの意図はここにあるのだろう。

とても長い作品ですけれど、息を抜く間もないほど画面に釘付けになるので、短いとおもってしまうほど引き付けられました。陰惨なシーンは多いけれど、映像も凄くリアルなタッチで見応え満点です。

スティーブン・スピルバーグ(監督)
エリック・バナ、ダニエル・グレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー、

| いら | 映画ーま | 21:51 | comments(6) | trackbacks(0) |
みんな誰かの愛しい人

凄くいい人に見えて計算高い人もいれば、嫌な奴なのに情に脆いとか、
人間っていろいろ交じり合っているものだ。人って複雑なものなのよね。

この映画のおもしろさは、さまざまなタイプの人がリアルに描かれていること。
おまけにフランス人だから(偏見かしら?!)ずけずけ思ったことを言ってしまうし、機知に富んでいて皮肉も効いている。
「ムッシュ・カステラの恋」でもそうだったけど、アニエス・ジャウィ監督の人間観察の鋭さは等身大の人間を描き出す。だから、観ている側は、うなずいたり、苦笑したり、ほろりとしたり、じんわりだったり、いらいらしたりと忙しい(笑。
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| いら | 映画ーま | 23:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミリオンダラー・ベイビー


こういう話だったのか・・・と、「海を飛ぶ夢」がオーバーラップした。
エンドロールが涙で歪んで席を立てなかった。
外に出て、オフにしていた携帯をみると叔母の死を伝えるメールが入っていた。人は必ず死ぬわけだけど、私は後悔しない人生を歩んでいるのだろうか、と新潟に向かう新幹線の中で考えていた。


「ミリオンダラー・ベイビー」は
女性ボクサーと老トレーナーの魂の交流の物語だ。

貧欲に栄光に向かう女性ボクサー(ヒラリー・スワンクは賞賛に価する!)の姿は、ボクシングを正視できないわたしには痛くてたまらなかったけれど、目的のはっきりとした彼女の生き様は張り詰めた一本の糸のようで眩しく美しい。ほんとーに美しい。
イーストウッドとモーガン・フリーマンは彼女の生き様に魅せられていき、彼女の魂に感応しているかのようだ。おそらく観客であるわたしたちも同じ気持ちになっている。
そして、彼女の糸が突然切れる。切れながら「父の犬のように・・・」にの言葉が発せられる。「モ・クシュラ」を彼女に贈った老トレーナーは逃げることなどできるはずがない、とわたしはせつなさで胸がいっぱいになっていた。
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| いら | 映画ーま | 00:05 | comments(9) | trackbacks(0) |
『モーリス』と少女漫画
1980年代「やおい」という言葉は知らなかったけど、わたしは明らかにマイノリティのやおい族だったらしい。洗礼を受けたのは竹宮恵子「風と樹の歌」だ。そして萩尾望都、山岸涼子、吉田秋夫、大島弓子とほとんど総ナメしたし、まだ保管してある。そう・・・美少年が美少年を愛する孤立した孤独な世界であり、少女漫画の世界なのだ。
「やおい」とはヤマがない、オチがない、イミがない、ということらしいけど、たしかに美少年の同性愛の日々を軸に、歴史や忌まわしい血や事件が描かれる。
「バナナフィッシュ」(吉田秋夫)や「メッシュ」「ポーの一族」(萩尾望都)「日出処の天子」(山岸涼子)などが「やおい」の基準点なら賛辞と受け取ってしまうよ。もちろん大島弓子は美少年とは無縁の別格漫画だったけど。
しかし、とにかく、わたしはすごく夢中だった。
禁断の果実に触れたようなトランス感。
ゲイ小説やホモ小説とは一線をひきたくなる美意識。

そのころ観たのが映画「アナザーカントリー」と「モーリス」だった。
アナカンはともかく「モーリス」である。少なくとも5回は観た。
こう言ってはなんだけど、ジェームズ・ウィルビーは眼中になかった(ふぁんの方ごめんなさい)。ヒュー・グラントなのである。今でこそ眉の下がったおじさんだけど、「モーリス」のヒューは少女漫画の美青年そのものだった。
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| いら | 映画ーま | 16:34 | comments(2) | trackbacks(0) |
Mr・インクレディブル
小学生に交じって(子供多し!)観てまいりました。
おとなの笑いどころと子供のそれは微妙に違っていて,なかなか愉快な時間を過ごしました。

内容はスーパーマンか007か,スパイダーマンか,とヒーローものをミックスしたアニメで,おとなから子供まで誰でもが楽しくなれる作りで感心。ひとりひとりのキャラがしっかり立っていて解りやすく,そして無理なくストーリーが紡がれています。それになによりもスピード感が飽きさせない。

インクレディブル一家はそれぞれ違ったパワーを持った家族である。けれど,飛び出た杭は打たれるものごとくスーパーパワーが禁止され,社会に適応していくために力を隠し窮屈な生活していた。ところが金と権力によって似非ヒーローになろうとする者が現れ,それぞれが持つ特殊パワーを全開してひとつになるのだ。
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| いら | 映画ーま | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
モーター・サイクル・ダイアリーズ
「フーセル」というのは,激しい心という意味らしい。
友人アルベルトのつけたチェのあだ名だ。
あだ名どうりチェ・ゲバラは
激しくも極上の優しい心を持った男だった。


1952年。喘息持ちの23歳の医学生ゲバラは7歳年上のアルベルトとバイクで南米縦断の旅に出る。ブエノスアイレスからチリの北端まで一万キロの旅。所持金は僅か。バイクは故障続きの冒険だ。

キューバ革命の立役者,そして永久革命家という20世紀の英雄チェ・ゲバラ。ジョン・レノンも「あのころ世界で一番かっこいいのがエルネスト・チェ・ゲバラだった」と回想していたけれど,この作品ではこの放浪の旅で得た南米の病んだ部分への疑問が彼の下地を作ったところまでを描いている。

革命の先導者という荒っぽい異名を得るチェの心の底は,こんなに高潔で美しい心の持ち主だったのかと,わたしには衝撃でした。つまり,恥ずかしながらよく知らなかったということなんですけど。で,おちゃめでダンスの苦手なチェの姿も魅力的でした。

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| いら | 映画ーま | 21:10 | comments(22) | trackbacks(0) |
モンスター

あの美の化身のようなシャリーズ・セロンが,シャリーズ・セロンじゃない。凄くショック。役柄のために12Kg増やしたとはいえ,かりにも女優!いいのだろうかと心配しちゃうくらいだ。クリスチーナ・リッチはあのままのチビデブで問題ゼロでしたけど(笑。

「モンスター」は実話である。

なぜか私にとって記憶が鮮烈だった映画「バタフライ・キス」を思いだした。
「バタフライ・キス」は体に鎖を巻き付け,男と寝ては殺す女性が主人公だ。
彼女の悲痛な叫びが響き続けるストーリーで,とてもインパクトが強かったのだ。でもラストで彼女の魂は救われるのである。

でも「モンスター」のアイリーン(セロン)は救われなかった,と私は思う。
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| いら | 映画ーま | 21:45 | comments(2) | trackbacks(0) |
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