annex irabako

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潜水服は蝶の夢をみる


あぁ〜この映画の中の曲だったのか、と途中で気がついた。
ドント・キス・ミー・グッバイ〜
映画公開のころ公式ページを見ていて、耳に染み付き記憶に畳まれていたらしい。

「潜水服は蝶の夢を見る」は評判どうり素晴らしかった。
わたしは難病物が苦手で敬遠していたのだけれど、けっしてお涙頂戴ものではなく静かな感動を与えてくれる作品だった。

ロックド・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)に見舞われ、左目しか意思どうりに動かない状態になってしまうちょいわるおやじ。彼はそんな酷な状態なのにユーモアと魂の自由さを失うことがない。想像力というスパイスを加えた世界がいかに美しいか、いかに輝いているかを見せてくれる、いや、見るものに気ずかせてくれるのです。
それらをわたしたちに届けるのは彼の目と第三者の目となる映像。彼の目によって切り取られた世界が、とにかく新鮮で心に届く。
彼のことを憐憫の目で見たりしたら恥ずかしくなるほどなのです。

そして、気の遠くなるような根気のいる仕事をたんたんとおこなう介護者の使命感にも頭が下がります!

これ実話なんですよね!すごい・・・

誰でも大なり小なり人は限られた世界、断絶している世界にいるけれど、
魂は自由であること、いつも飛翔できるということを忘れずにいれば
想像力は厚みを増していくのかも、
と、日頃の欲にまみれたわたしは深く反省いたしたわけです。

ちなみに、マチュー・アマルリック最高です。
ビジュアルもミュージックもすごくよかった。

2007年(仏・米)
ジュリアン・シュナーベル (監督)
ジャン=ドミニク・ボービー (原作)
マチュー・アマルリック 、 マリー=ジョゼ・クローズ 、 マックス・フォン・シドー

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| いら | 映画ーさ | 00:30 | comments(0) | - |
サルバドールの朝


「バンズ・ラビリンス」はファシズムの恐怖と重い空気を体感させられたのだけど、
この映画が向かってきたものは怒りをともなった現実の痛みだった。
法律も正義も勇気も壁の前では砕け散るもどかしさに、やるせないもやもやが針のよう。

サルバドールは体制を変えたいと願うふつうの若者の一人だった。
デモで火炎瓶を投げ、車を押し倒すという映像は日本の反体制運動と同じだけれど、活動資金を得るために銀行強盗という手段をとるのだ。わたしはスペインの現代史に疎いのだけれど、きっと銀行とファシストの手先(富裕層)とは繋がっているのだと、想像することで、驚きをしまうことにした。それが独裁政治に対する特異な方向なのかもしれないと。そして、その絶望の大きさはわたしの想像の範囲を軽く超えている。

後半はまるで「デットマン・ウォーキング」で、捕らえられたサルバトールには死刑の判決が出る。けれど、サルバドールの真っ直ぐに世界を見つめる目は揺ぎ無く、印象的だ。もくもくとバスケットをする姿に、俗な悔いも後ろ向きな絶望も見えない。自分自身の生き方を信じている清い眼差しは歪められた判決さえも砕く力がみなぎっているように見える。「白バラの祈り」でも感じたのだけれど、一条の光、僅かな希望が人をこれほど突き動かすことにわたしは尊敬とともに深く感動してしまう。
だから、きっと看守の心も動かされたのだ。ファシストの手先にも心はあるのだから。

しかし、死刑というものは野蛮で残酷な殺人に他ならないとおもう。あえて克明に描かれた残酷な死刑の様子は、このできごとが僅か数十年前のことだと伝えているかのようでした。ボブ・ディランの「ノッキン・オン・へヴンズ・ドア」がいつまでも耳に残ります。
サルバドールを演じたのはダニエル・ブリュール。「グッバイ・レーニン」以来の再会でした。凄くいい俳優さんに成長したんですねぇ。
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| いら | 映画ーさ | 12:01 | comments(0) | - |
白い世界・ステイ
 窓から

カーテンを開けると雪。今回のは積もるかも。
手首に巻いたシップの包帯を剥がして、少し動かしてみたのだけれどやはり痛さは残っている。もしかしたら骨にひびがはいっているのかもしれない。

昨夜、たった4段の駅の階段から落ちた。仕事で疲れきっていたせいもあるけれど、たぶん買ったばかりの白いワイドパンツのせいだ。それに、朝バックの持ち手が壊れたので、休憩時間に買った白地のトートバックをかばったせいもある。
おもしろいもので、落ちる瞬間というのは頭が真っ白にならないで、ほんの一瞬のうちにいろんなことが頭を通過すること。うーん、こんなところでカッコ悪いよ、こんな汚いところでいやだ、から始まって、一日の映像、奥に座っているうっぷんや疑問が0.数秒のうちに通過する。これが死を前にしたらもっとドラマチックな映像ができるのかもしれない。

数週間前に観た「スティ」は死に瀕した青年の魂がドラマを作り上げている映画だとおもう。自分はやがて死ぬ。あなたに救ってほしい、あなたと横にいるあなたは知り合いできっと救ってくれる。そして、謝りたい。父に母に、恋人に。そんなごちゃまぜになった絶望と希望を携えた魂が浮遊して幻想のドラマを作る。でもそこには助けようとする人の魂も関わってくるのだ。
繋がりあおうとする魂の作り上げたドラマ。

「スティ」は「マルホランド・ドライブ」のように、心がぐちゃぐちゃになるくらい惹かれるのに難解な映画で、たぶんわたしには意図されているところのほんの少ししか理解していないかもしれない。けれど気になってしかたがなかった。
反転する入り口、オルタナティブの世界というのはいつもわたしを魅了しつづけて、
たぶん白濁色に染まっているのだとおもう。

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| いら | 映画ーさ | 14:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
スウィニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師


ジョニデ見たさに劇場に行ったのに、うーん、まじグロかった。
虫も刃物も血も苦手なので、たぶん顔がひきつっていたし、ところどころ目もそむけていたとおもう。
でも、19世紀ロンドンの暗い街並みと「スウィニー・トッド」の陰惨さが見事にマッチしてせまってくるので、ぐんぐん映像に惹きこまれます。また、情念がこめられた血の嵐が大量で鮮烈で、血のショーを見ているみたいです。
ただ救いは、この浮き上がる真っ赤な血がねっとりとした絵の具のようで、不思議と血の匂いを感じさせなかったということかも。
これもティム・バートンの魔法のせいでしょうか。

愛する妻と娘を奪われ無実の罪をきせられて殺人鬼と変貌してしまうジョニデ。身の毛もよだつパイを焼くヘレナ。人を狂気にかりたてる境界線に愛があるとおもうと複雑な気持ちになりますね。

ジョニデ、ヘレナ・ボナムカーター、アラン・リックマンの歌もよかったです。
とくにジョニーの歌声をたっぷり堪能いたしましたっ。

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| いら | 映画ーさ | 22:51 | comments(4) | trackbacks(0) |
それでもボクはやってない


加瀬亮!!!と、ミーハーな気持ちで劇場に向かったのに、この重くのしかかる怒りに似た後味はなんだろう。
個人的に裁判官の話はよく聴くので、裁判官もただの人であることは分かっていたつもりだったけど、どこかで裁判官だったら公平で真実を見抜く神に近い存在だとおもっていたのかもしれない。
痴漢の嫌疑をかけられた青年の母親に扮するもたいまさこが、バックの柄を握り締め、顔を強張らせ、ふつふつとくる憎しみと怒りと戦っている姿がわたしに伝染したみたいだった。

中、高校時代の経験から、痴漢にあうことは女性にとって恐ろしく不快なこと。安全ピンを持って電車の乗ろうか、と話していた友人もいる。だから、あんなに挑発的なミニスカートは着ていなかったけれど、痴漢には神経を尖らしていた。痴漢は許しがたい罪なのだ。でも、でも犯人を間違えたら…
間違えたらとんでもないことになる。
この映画はそれを教えてくれる。
男性諸君、両手を挙げて電車に乗るべし(苦笑。
いや、笑い事ではない。

国家権力を盾に有罪と決めてかかる取調べ、捏造される調書のいやらしさにはぞっとする。起訴されれば99%は有罪。有罪に持ち込めば点数があがるかのようなシステムに唖然としてしまう。まるで冤罪が作られる現場を見ているようなのだ。
それに「疑わしきは罰せず」は一部の人権擁護派裁判官の言葉でしかないことなのだろうか。そういう裁判官は国家反逆とみなされるのだろうかと、勘違いまでしてしまう。

無罪を主張し続ける青年を見ながら、まるで裁判を傍聴しているような臨場感。
最期までいいようのないむさしさと怒りに襲われながら、「控訴」だけが無罪の人にとって裁判官を否定できることなのか、とおもっていた。

周防監督はリアルに描いたと言い切っていました。
その言葉をわたしは信じます。
すばらしい映画でした。

蛇足だけれど、ファンだった小日向文世、むかついて嫌いになりそう(笑。
| いら | 映画ーさ | 22:23 | comments(5) | trackbacks(0) |
白バラの祈り


信念なのである。
なんと、わたしとは無縁な言葉であることか!(笑。

ゲシュタポの取調官に追い詰められたときに、
ゾフィーは決心をする。
髪留めをはずし、信念を貫こうとおもう。

「白バラの祈り」はヒトラー政権に立ち向かったドイツの学生抵抗組織「白バラ」の21歳の女性ゾフィーの勇気と感動の実話。発見されたゲシュタポの尋問記録をもとに彼女の最期の6日間が描かれている。

圧巻はお互いの心が顕になっていく取調官と捕まったゾフィーが対峙するところ。
ゾフィーの嘘をはがしていく取調官は執拗で、ついに彼女は髪留めをはずす。けれど、追い詰めるはずの取調官が彼女の「良心」の言葉に揺らぎ、彼女の聡明さについ情を見せていくシーンもある。
まだポップな歌を口ずさみ、震える手を押さえ、突然の処刑に慟哭する普通の少女にすぎないのに、恐怖を超えた強い信念と自由と正義にむかう純粋さは人の心を動かすということなのかもしれない。美しくてまぶしい。

けれど、やはり甘くはないナチスのこと。
裁判のシーンは怒りを感じるほど狂気が蔓延。愛する自国によって殺された優秀な若い命。その悔しさがいつまでも残ったのだった。
| いら | 映画ーさ | 21:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
シリアナ

ノンフィクションではないけれど、
渦巻いていた胡散臭さの糸が少し見えた気がした。
解りづらい個所もいくつかあって、たしかに私にとっては難解な映画。
でも、すべてのことは細い糸で繋がり、私たちが目にするニュースはごく一部であると確信できそうだ。

廻らせば、わたしの周りは石油製品に囲まれている。どれだけそれが重要な資源であり、石油が富をもたらすものか一目瞭然。

その利権を手に入れるために、金に目が眩んだハイエナは傀儡となるアラブの王子を推し、自国を愁う王子を消すことなど簡単。事故にみせかけるのなど陰謀大好きCIAにとっておちゃのこさいさいなのである。
もちろん、犠牲を払っても良好な関係を築こうとするアメリカ人もいる。でも、権力ある組織の前では小さすぎる存在だ。小さすぎる存在も小さくても富んでいる国も、いつも潰されてしまうという世界の図に溜息しかでない。

世界は細い糸で繋がっているけれど、その細い糸のさきにはただ家族が一緒に暮らすことを夢みる青年もいる。ハイエナの操作により職を失い、純粋な気持ちで宗教に傾き、いつのまにかテロリストになってしまうという構図。
小さき存在の大きすぎる爆発。

なんと哀しすぎる連鎖だろう。

2005年米スティーヴン・ギャガン監督、
ロバート・ベア原作(CIAは何をしていた?)
ジョージ・クルーニ、マット・デイモン、クリス・クーパーほか

| いら | 映画ーさ | 22:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
シンデレラマン
わたしは映画通というわけでなく、単に映画が好きだというのだけなのだけど、観つづけていくと、どうも映画の王道をスポイルしている自分に気ずく。ストーリーが見えちゃうのよ、みたいなうがった態度になってしまう。この映画もそんな軽薄さから避けていた。
ところが、
ボクシング映画の王道にして、とてもアメリカらしいこの映画を観ながら、
わたしは反省することになる。

「ミリオンダラーベービー」で見せられたボクサーの孤独は胸を錐で刺されたよう跡が残ったのだけど、「シンデレラマン」はジム・ブラドックというボクサーの貧困の中で家族を支える姿は火傷の跡のように胸に残る。
家族のために頭を下げるラッセル・クロー、
「サイドウェイ」のポール・ジアマッティが家財を投げ打つ姿、
そして、何よりも激しいファイトシーン!

実話が下敷きにあるからこそなのだろうけど、いつのまにか手を握り締めて試合を見つめていた。そして、あー、いい映画だったなぁーと素直に頷ずく。
| いら | 映画ーさ | 15:25 | comments(1) | trackbacks(0) |
ジャーヘッド

ジャーヘッドとはポットジャーのような形の頭のこと。頭が空っぽな海兵隊員という意味も含んでいるらしい。彼らが毎日砂漠で大量に水を飲むシーンがあるのだけど、まるで空っぽなポットに水を詰めこんでいるようで、ひとり受けてしまった。なんとみごとにぴったりすぎるタイトルでしょう。

「ジャーヘッド」は湾岸戦争に赴きながらも、出撃の機会を与えられる事の無かった海軍兵の話だ。映画「地獄の黙示録」が士気を高めるのに使われていることに驚いたけど、訓練の厳しさに比べて実際の戦場はただその日を「待つ」だけの日々。若い兵士たちは退屈さでフラストレーションが溜まる一方で、士気は狂乱という形に変化していってしまう。そして、いざ戦いが始まれば油にまみれるばかりで、一発の発砲も許されないのだ。

そういう兵士の心情をさすが「アメビュー」のサム・メンデス監督、たんたんとドライに綴っている。戦争ドラマであるのにかかわらず、生きるか死ぬかという悲鳴が見えない。黒焦げの死体も乾いていて生々しさがない。なんだか空っぽなジャーを覗いている感じだ。湾岸戦争の特異性もあるかもしれないけど、今までの戦争映画とはずいぶん違う人間ドラマだ。
だからこそ、砂を吐く夢、油にまみれた馬など、びくっとするシーンが胸に残る。アメリカ社会が作り出した人間性やハイテク戦争が浮き彫りにされている。

「ドニー・ダーコ」のジェイク・ギレンホール(たくましく成長したのねぇ〜)は自ら志願し、デカプリオを蹴ってこの役を掴んだらしい。ぴったりはまっていて、これからも注目の俳優さんです。砂漠の映像もきれいだし、サントラもとてもいい。
にしても、劇場はたった5人。エンドロールまで見ていたのはわたしひとりでした。飛び交う言葉が凄く下品だけど(笑)、いい映画です。

2005年米
サム・メンデス監督
ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ジェイミー・フォックス、ルーカス・ブラック、クリス・クーパー

| いら | 映画ーさ | 22:46 | comments(2) | trackbacks(0) |
16歳の合衆国

リーマンは感性の鋭い普通の16歳の少年。
彼は繊細さゆえに世界の裏側にある哀しみから目をそらすことができない。そしていつのまにか哀しみの風船を抱えてしまうようになっていた。

恋人の弟、知的障害者を殺してしまうのだ。

人は紙一重の善悪の世界、矛盾だらけの世界とわかっていても、どこかで目をつぶり、哀しみを塗りつぶし、とにかく肯定的に生きようとするものだけど、繊細すぎる少年には辛すぎることなのだろうか。
そして、それはリーマンだけでなく、風船を抱えた少年に繰り返されていく・・・。

とにかく衝撃的だった。
「アメリカン・ビューティー」ほど洗練されてはいないし、切り替わるシーンが激しくてつっこみを入れたくなる。
けれど、アメビューを彷彿とさせ、
アメビューのように心に深くもぐりこんでくる作品だ。
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| いら | 映画ーさ | 18:12 | comments(2) | trackbacks(0) |
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